2012年11月24日土曜日

合衆国最後の日

監督:ロバート・アルドリッチ

素晴らしいね。震えた。
最初から二個目の、カーテン越しにヒゲを剃る大統領を捉えたショットがまずもって素晴らしいのだが、カーテン越しに大統領を捉えたショットが中盤に再び出てくる。それは問題の文書を読んで立ち尽くしている大統領の姿だ。そしてこの素晴らしいショットから始まる、超ストレートな政治的議論の物凄い迫力。ホワイトハウスで一番左派っぽいザックと大統領を捉えたショットの強度、そしてここぞというときに繰り出される俯瞰ショット。
あるいはその直後の大統領と副官のやり取りの面白さ。それは部屋のフルショットの妙な緊張感に裏打ちされていると言えるだろう。

あるいは、ゴールド作戦とその顛末の描き方。画面4分割の状態で、各現場が大混乱する様を同時に描いちゃうっていう大胆さ。この作戦の終盤の音のカオスっぷりは凄い。とにかくみんな怒鳴り散らしてるのだが、全く何を言ってるのかわからない。しかしそうするうちにミサイルはどんどん地上へとせり出していく。この緊迫感の醸成。
サイロ3に通じるトンネルのショットはどれもかっこいい。

ゴールド作戦の大混乱と対照的に、クライマックスは実に静的な、硬直しきった緊張感だ。
大統領とランカスターがついに対峙するシーンの、あの縦の構図。
あるいはその直前の、監視カメラ越しに見つめ合う両者。
ランカスターと大統領は、どちらも世界の秩序を動かす巨大なシステムに抗おうとする二人だ。映画はその全く立場の異なる両者が対峙する瞬間を、これ以上ない強度で演出してみせる。
超スーパー大傑作!

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