2012年11月23日金曜日

黒の試走車

監督:増村保造

なんと渋い傑作。派手さは皆無だが、すべてのシーンが素晴らしい強度を持っている。

会議室の映画だと言えるだろう。ある者とある者が議論をし、そこに別のものが口を挟む、という一連のやりとりを、カメラがそのたびに視点を変え、構図⇒逆構図の切り返しを積み重ねながら、随所に仰角のフルで引き締める。冒頭の会議で高松英朗が最後に立ち上がる瞬間、カッティング・イン・アクションで仰角に引く間合いが完璧。

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