2021年9月17日金曜日

動く標的

 ポール・ニューマンの探偵映画。
ローレン・バコール、ジャネット・リー共演というわけで期待させるのだが、お二人とも友情出演みたいなレベルで、この扱いは残念。
お話も大して面白くもなく、悪役もめっちゃ弱いのだが、にもかかわらず捨てがたい魅力がある一本。1960年代というハリウッドの低迷期に作られたこの犯罪映画は、まさにその低迷ぶりを象徴するような人物が出てきて、この斜陽感、没落感が、今見ると不思議な味わいなのだ。

特に、かつてのスター女優で、今は中年太りのおばさんとなってしまった女性を、シェリー・ウィンタースが怪演してみせるのだが、彼女のベロンベロンになっていびきをかく醜態ぶりが楽しいのだ。そういえばポセイドン・アドベンチャーでもデブをいじられていた(笑)
このあたり、『何がジェーンに起こったか』を彷彿とさせるような人物である。怪しい新興宗教まがいの施設も出てきて、まさに60年代という感じだ。
ラストが潔くて好感。

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