2014年3月26日水曜日

An Unseen Enemy

グリフィスノートその3


















今回はAn Unseen Enemy(1912)ということで、これはかなり話法としての完成に達している優れたサスペンス。特に銃口が隙間から出てくるショットには感嘆する。
まず仲間がいて、そのうちの一人が外出して、残された者が事件に巻き込まれる。そして電話によって男が事件を知り、急いで戻ってくる。という物語構造。
あるいは、悪役が本当に悪い。これは演出の力と言っていいかもしれないが、とにかく悪役が恐い。またしても犯罪自体は未遂に終わるにもかかわらず、なぜこれほどまでに爪痕を残すのか。。

リリアン・ギッシュが異変に気付くショット、これ何だろう。このショットだけ異様な雰囲気を持ってる気がするのだけど。これ、すごい。とにかく凄い。
ちなみに物音(今回は犯人のおばさんの声)でドアの向こうの異変に気付くというのが、コメディではルビッチなんかでよく見られると思うけど、今回はとくに音による演出(サイレントなのに(笑))が良い。銃声によって自体を把握する男。

部屋があまり散らからない。金庫は爆破するのだけど。
一方で、冒頭の風に揺れて本のページがめくれるところが素晴らしいね。ああいうのが良い。
今回は特に風が印象的なんだ。あのトウモロコシ畑の風とか。

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