2014年3月19日水曜日

A Corner in wheat と The Sealed Room

やっぱり今まで見たものも含めて、グリフィスを見なきゃな、ということで、短編2本をyoutubeから。






Corner in wheatは、小麦をめぐる複数の空間と人々を描いている。なぜこうも大ざっぱかというと、話がいまいちわからないからなのだが、しかしここには映像としていくつかの対立がある。
田舎と街、現場と上層部、映像を見ればこれらの対立軸がすんなりと見えるだろう。田舎は静止的で、街は騒がしい。大勢の人々が争っている。アントニオーニ『太陽はひとりぼっち』を想起させる。
パン屋でパンを買えない母親。貧しいシングルマザーというのは、たぶんグリフィスで多くみられる。
クライマックスは、おっさんが小麦工場で転倒して、上から小麦が降ってきて埋もれてしまうというシーンだろう。これをおが屑でやったのがドライヤーの『吸血鬼』だった。
あとこの映画で目に付くのは、会社員(?)達がああだこうだと言い合ってるシーンで、彼らはみいな紙とペンを持ってるのだけど、紙がどんどん落ちる。最後の方は床じゅう紙だらけである。



The Sealed Roomは、とっても面白い。ああ、娯楽作品とは、こういうもんだ、というお手本のような映画で、ストーリーは見れば誰もがわかる。映像がそのままストーリーになっていると言ってよい。
王様と姫と家来達、っていうこのヒエラルキーの中でネズミ的存在としての演奏家が配置されている。で、当然この時代だから、全部フィックスで撮ってあるわけで
、そうするとこの演奏家にクローズアップするようなことは一切ない。ただ状況を映していて、人々がああだこうだして動いて、やがて姫と演奏家が二人だけになる、という具合で、ドラマ性が排除されている。あるいは純粋に映像的空間的にドラマが設計されている。
さて、この映画でも、物がよく落ちる。
まず演奏家と姫が最初に二人きりになるシーンで、演奏家が楽器を落とす。心奪われて持ってるものを落とす。
で、もう一つ、部屋で姫と演奏家がいちゃついているのを目撃した王様が、ショックで剣を落としてしまう。
それと部屋を煉瓦で埋められてしまって窒息しかけている二人。姫があがくようにカーテンを引きちぎってしまう。
で、この部屋もまたcorner in wheatのように、散らかって終わる。グリフィスは部屋を散らかすのだろうか。






0 件のコメント:

コメントを投稿