監督:ドナルド・キャメル
『2001年宇宙の旅』の、あの超有名にして不毛なクライマックスの映像にあからさまにインスパイアされたような映像が出てくる。
『2001年~』がきわめて精密な設計とある種の”高級感”を持ったSFであるのに対して、こちらはすごく雑(笑)。しかしこの雑さがなんとなく楽しめる。ほとんど確信犯的な語りの省略は、やりたいことだけやりましたという潔さがあるし、人工知能プロテウスが具現化した多面体の高速回転も面白い。
しかしやはり映画としての雑さは否めない。このジュリー・クリスティーはあまり良くないのではないか。
おそらくこのモチーフをより現代的に(人工知能からより生物学的、遺伝学的に)発展させたうえで、緻密な物語として完成させた映画が、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の傑作『スプライス』だろう。本作はその先駆けとして見るとなかなか味わい深い。
0 件のコメント:
コメントを投稿