2012年10月11日木曜日

コンドル

監督:シドニー・ポラック

渋い映画だなー。それはレッドフォードとフェイ・ダナウェイの関係性の、(映画としては)極めて禁欲的な描写にも表れているだろう。そうでありながら、二人がつかの間結ばれるシーンでは、フェイ・ダナウェイがボロボロ涙を流す。
あるいは翌朝の二人のやり取りもとても楽しい。
例えばボニー&クライドの二人に比べれば圧倒的に控えめでありながら、しかしあの二人以上にお互いの波長が同期している事が画面に露呈している。
それはフェイ・ダナウェイのどこかよそよそしくありながら、衝動的に感情を発露するキャラクター造型によるところが大きいのではないか。
さらに言えば、これは冒頭の惨劇以降、レッドフォードが徐々に「見えざる敵」に追い詰められていく様を手際よく描いたからこそ、二人が結ばれるその物語に惹かれるのだろう。
例えば、その冒頭の惨劇や、あるいは迎えにきた友人が撃たれるシーンなど、シンプルに演出しつつも、徹底して銃口の無機質なアップカットを入れるあたりの徹底した演出も見られ、このあたりが功を奏しているのではないか。

このように二人の関係性を十分に描いているからこそ、ヒギンスを誘拐するシークエンスに味が出る。


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