一作目の記憶はほぼないが、トム・クルーズ × トニー・スコットなら『デイズ・オブ・サンダー』の方がずっといいだろうと思っているので、あまり思い入れのない状態で見た。
全くおもしろくなかった。
この映画、シナリオとビジュアルしかない。演出がない。
伝えるべき物語はおよそ単純明快なそれである。命令に従わないトム・クルーズに、上官が怒り、部下はついていけず、かつての恋人は再び燃え上がり、トム・クルーズが凄すぎて部下が一致団結し、よくある葛藤をよくある展開で乗り越え、大団円。
それ自体は許容されるべきご都合主義的な物語の展開に沿って、何となくカッコいい、あるいはバブリーな映像を配置して良しとしてしまう。細かい仕草や視線、モノに対する演出はほぼないと言って良い。ただボールを投げてるマッチョな男を逆光で撮り続けるだけのアメフトのシーンには怒りを覚えたし、ラストのクルージングに行ってしまったジェニファー・コネリー母娘の突然の帰還も、要はあの絵が欲しいだけだ。
こういうのを悪い意味でアニメ的と言うのだと思うが、今時のアニメはもっと繊細なのかしら。
捧げられたトニー・スコットが天国で泣いてるぞ。
ちなみにクライマックスとなるミッションの場面はさすがに盛り上がるものの、『ハドソン川の奇跡』の方が断然ハラハラするというのはどういうわけか。
『リチャード・ジュエル』で頭でっかちで無能なFBI捜査官を演じたジョン・ハムが、今回も頭でっかちなヘタレ役を悠然と演じているのが良かった。
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