2013年6月7日金曜日

海辺の家

監督:アーウィン・ウィンクラー

あまり集中できないまま終わってしまったが、壁を削って強引に窓をつくったり、家をぶっ壊したり、という破壊がある一方で、人が立ち去っては現れる映画でもある。人が立ち去る、というのは何とも言えぬエモーションになる。特にスコット・トーマスの旦那が家の前で彼女と別れるところ。
あるいは立ち去ったと見せかけてバックで戻ってくるスコット・トーマスだとか。

一番良いシーンは、最後まで名前も明かさぬ看護師が、ケヴィン・クラインの頬に手を当てるシーンだろう。「愛する者同士は肌に触れ合うものでしょう」というセリフも美しいが、何より彼女の後ろ髪に当てられたキラキラとした光がブロンドの髪をほとんど神々しいものにまでしていて、このあまりのも「仕事から逸脱した」行為を、視覚的に、強引に説得力を持たせて成り立たせてしまっている。その絶大なるエモーションの力に感動する。

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