2013年1月17日木曜日

ミステリーズ 運命のリスボン

監督:ラウル・ルイス

後編などはほとんど拷問のごとくちんたちんたらと大して面白くもない話をひたすら「説明的に」「絵画のように美しい撮影で」語っているので、ちょっときつい。
が、全編は序盤の照明がちょっと暗すぎる気がするも、人物が画面内に入ってくる、あるいは出て行く瞬間というのが実に面白く、それは例えば少年の母親が神父の呼びかけに応じず去っていく持続ショットにおいて、赤いスカートがスーっと画面から消えていくあの感覚に凝集されてると言えるだろう。
あるいは若き日の少年の父親の前に二度ほど現れては警告をする男も、突然画面に現れては突然消えていき、そして同じショットの中で別の人物が入ってくるという、このフィクション性が良い。
そのタイミングやら現れ方やらが「嘘っぽい」がゆえに、その人物の出現と消失が逆説的にリアルなものとして露呈する。

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