2015年2月19日木曜日

冬の光

監督:イングマール・ベルイマン

マックス・フォン・シドーが自殺した現場に牧師がやってくるシーン。
牧師が現場に車で来て、警察官と軽いやり取りをし、遺体まで歩いていき、それを何か袋のようなもので覆い隠すのを手伝い、それから遺体を警察車両に運び、そうしてまた自分の車に帰っていく様子をすべて数カットのロングショットで捉えている。

このマックス・フォン・シドーは映画冒頭で牧師のところに妻に連れられ、そのあともう一度牧師と話し説得されたのちに自殺を遂げているので、牧師としては自分の説得(実はそれはほとんど自身の信仰の弱さを告白したものなのだが)が何の効果も持たず、あっけなく死んでしまった、という存在であって、だから通常であれば、ここには遺体と牧師をそれぞれ切り替えしでつなぐクローズアップのようなものがあると予期されるのだが、ここではそうした一切の寄りのショットが排除されている。これをどう捉えるか。

マックス・フォン・シドーが牧師のところを訪れるのは、上記したように2回ある。
そのいずれもが、牧師が眠り込んでいたところで、いつの間にか来ている、というような扱いをされていて、この牧師が眠り込んでしまっている時間の描き方がとってもうまい。

撮影も素晴らしい。The モノクロ映画といった感じの雪の描写。光と影の作り方。窓の外の景色。河。

0 件のコメント:

コメントを投稿