2021年11月1日月曜日

抱きしめたい ―真実の物語―

 指摘すべき細部はみんなのシネマレビューで、ユーカラさんがすべて書いてしまっている。 

大変感心させられた。すべての間合いが程よい。メリーゴーランドは別として、その他、基本的にあんまり盛り上がらないのだが、しかしこんな感じで日常は流れていくんだよな、と思わせる。北川景子が錦戸が浮気していると誤解するも、それが一瞬で解消してしまう流れ(ここの北川景子のパフォーマンスが素晴らしい)。浜辺でおんぶしながら歩くショットが美しく(雲が良い)、時間の流れも良い。

結論が180度が変わる過程を省略して、「次の瞬間には別の行動をとっている」という脚本の徹底が、シネフィル塩田監督らしさか。

終盤の錦戸のモノローグにも泣かされた。
出逢い、幸福、突然の別れ。それを残された者がその意味をずっと考えながら残りを生きていく、ということ。「考え続けていれば、ずっとそばにいてくれる気がする」という意味のモノローグに、死別という経験の重みと切なさを思う。

通俗道徳の洗練された賛歌として見事な出来栄えだが、やっぱり会話がつまらないと思う。アイスの話とか、カレーがうまいとか、いいんだよそんなの!(謎ギレ)



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