35mmフィルム(スコセッシ財団所蔵) Dryden Theater にて
クライマックスで、馬車が通り過ぎたあとの砂煙で視界が遮られ、見えたと思ったら一瞬の銃撃、というシークエンスショットに惚れ惚れするが、ヴィクター・マチュレの絶命シーンにおいて、彼の持っていた白いハンカチが丸太に引っかかる、という王道の演出も嬉しい。
ウォルター・ブレナン一味の男が、リンダ・ダーネルを撃ったあとに逃げるシーンでは、屋根から飛び降りて馬まで走ってくるまでをクレーンショットで撮っているが、ここのライティングもまったく見事。
また、冒頭のブレナンとフォンダの会話シーンの切り返しがなかなか変だが、それゆえに印象的だ。
ジョン・フォードなら当たり前とはいえ、馬の疾走シーンも相変わらず素晴らしい。あの車輪が回りまくるようなショットっていつから始まったのだろう。最近の映画はカーチェイスで必ずタイヤのアップショットを持ってくるが、馬車と違ってタイヤが外れるんじゃないかとハラハラする要素は1ミリもない。
ジョン・フォードなら当たり前とはいえ、銃撃も投げられるグラスも、砂埃も、全ては画面を活性化するため、というこの姿勢が何より嬉しい。
Have you ever been in love, Mac?
No, I am always bartender.
のシーンで観客大笑いで驚く。